時を超えて

人生をかけて愛した人の事を綴ります

時を超えて〜繋がった私達

その後は私も27歳で結婚し、彼の事は大切な「いい思い出」として心の奥底に沈めて、毎日を過ごしていました。


ところが今から8年前のある日、当時夫の親友が転職を考えているという、ある企業のホームページを見ていると、そこに見覚えのある名前を見つけたのです。


何とそこにあったのは、彼と同じ名前でした。


同姓同名?

彼はとても珍しい名前。

でもその企業は、彼が大学を卒業して就職したところではありませんでしたし、その上他県の支社でしたので「まさか」と思いました。


でも、あんな名前の人が他にいるわけがない。

絶対に彼だ!

そう確信しました。


とにかく元気でいてくれた事がとても嬉しくて、心が弾みました。

連絡なんて取るつもりもなく、また取る術もありませんでした。


それからたまにその企業のホームページを訪問し、彼の活躍ぶりを見守っていたのですが、

ある時写真付きで彼の記事がアップされていたのです。

それを見た途端、20年以上もの時を超えて、私の前に再び彼が現れたような感覚に襲われました。


そして我を忘れて無我夢中で彼の連絡先を検索しました。

とにかく彼に一言「頑張って!」と伝えたかった。

名前なんて明かさなくてもいい。

たとえ私だって分からなくても、伝える事ができたらそれでいい。


そう思ってどれくらいの時間検索したでしょう。


多分5分もかからずに、彼のPCアドレスにヒットしたと思います。


そして迷わず一気にメールを打ち込みました。

ただ、絶対に私だと分からないように。


突然こんなメールを送った上に、名前を名乗らない非礼を詫びて「あなたの活躍が嬉しくて。これからも応援しています」と。

そして「返信は不要です」と。


返信なんて100パーセント期待してなかった。

このアドレスが本当に彼のものなのかも、分からない。

それにこんな怪しいメールに返信する人なんているはずないと思ったから。


すると、すぐに私の携帯に受信がありました。


まさか?返信?


そのまさか!

彼でした。


「メールありがとうございます。僕が一番心が清らかだった時に、仲良くして下さった方ではないですか?

どなたでしょう。気になります」


彼のメールを読んだ瞬間、心が溢れました。


「心が清らかだった時に」


あの頃の綺麗な思い出が蘇って、泣けて泣けて仕方ありませんでした。


でも、名前を明かすわけにはいかない。


心を落ち着かせて、一つ一つ言葉を選ぶようにメールを打ち込みました。


「こんなメール送るべきではなかったですね。

ごめんなさい。

私は結婚をしています。どうかお察し下さい」と。


すると彼は「やっぱり気になります。これは僕の携帯のアドレスと電話番号です。気が向いたらいつでもここに連絡下さい」

と、返信してきたのです。

あり得ないと思いました。

こんなにも警戒心がないなんて。


そして、もうどうしようもなく気持ちが走り出してしまい、とうとう私だという事を明かしてしまったのです。


「やっぱりあみだったんだね」


彼は私だと分かっていたのです。

分かっていたから、食い下がってくれた。


私達の心が再び繋がった瞬間でした。