時を超えて

人生をかけて愛した人の事を綴ります

彼の想い

張り詰めた緊張感の中で、夫に必死に作り上げた嘘のストーリーを話しました。

何をどう話したのか今では全く思い出せないほど、頭をフル回転させたような気がします。


もちろんこの日の説明だけで夫が100パーセント納得するわけはありません。

今後の話し合いで夫が離婚を望むのなら、素直に応じるしかない。

ただ、この日は彼に迷惑がかかる事だけは回避できた事が本当に良かった。

でも彼に連絡する事も、会うことも、もう二度とできない。


その日の夜中に心配してるであろう彼に、メールで状況を伝えました。


「心配かけてごめんなさい。

何とかあなたに迷惑がかからない状況だけは作る事ができました。


ただ、私の気持ちが自分にない事を夫は分かったようです。

これからの事は夫の判断に任せようと思っています。


もうあなたに死ぬまで会えないのが悲しいけど、頑張って生きていくね。


どうか元気でね」


するとほどなくして、彼の思いがいっぱい詰まった長文のメールが届いたのです。


「もしかして旦那さんから、僕を守ってくれたの?

ありがとう。

あみはいつも僕に優しいね。

永遠の愛なんて2人にしか分からない。


昔さよならしたあの場所が僕らの分岐点だったね。


あの頃の僕には力がなかった。

何もなかった。


僕はあみの幸せを一番に願ってるよ。


大丈夫!

離れていても心の中で抱きしめてる」



私はこの彼のメールを読みながら声を押し殺して泣きました。

彼は逃げたりしなかった。

私は今まで何やってたんだろう。

彼のどこを見てきたんだろう。

本当にごめんなさい。


そしてこの事をきっかけに、私達は2年ぶりに復縁しました。



私はこの日の事を生涯忘れる事はないと思います。

私が一番苦しい時に側にいてくれた事。

彼にとってもどうなるか分からない危機的状況の中で、私を救ってくれた事。

本当に感謝しかありません。

離れ離れになった今は、そんな感謝の気持ちを伝える事はできなくってしまったけれど。


ただ、全てを乗り越えて今は幸せにやっている事をいつか伝えたい。

そう思っています。