時を超えて

人生をかけて愛した人の事を綴ります

禁断の質問

私と彼は昔付き合っていた過去があるだけに、再会してからの彼の状況に違和感を感じる事が多々ありました。

例えば彼に家族がある事もそのひとつ。

20年以上の時を飛び越えて繋がってしまったので、少年だった彼に家族がいる事が違和感でした。

あの頃は私だけを見ていてくれたのに、「不倫」という括りで繋がってしまった事が切なく苦しかった。

それは彼も同じだったようで、私の苗字が変わってしまった事に違和感を感じていたようでした。


「あみは、本当に結婚したんだな........」

彼のこの一言で、私は益々切なくなりました。

更に彼の奥さんってどんな人だろう。

どうしても、そんな事を考えるようになりました。

そしてとうとう「奥さんってどんな人?」と禁断の質問を彼に投げかけたのです。

すると彼は躊躇する事なく「歳とったら散歩したいなと思うような人だな。嫌いじゃないよ」


これには心がギュッと固まりました。

でも私は何食わぬ顔で「素敵な事だね」と返したと思います。

きっと彼の奥さんはとても優しくて素晴らしい人。

それは分かっていました。

家に不在がちな彼に変わって、彼の大切な子供達をほぼ一人で立派に育てあげた人だから。


でもね.....ちょっとでいいから気を遣って欲しかった。

聞いた私が悪いのだけど、ほんのちょっとだけ嘘をついて欲しかった。





あの時私が手を離していなかったら。

あの時私がモタモタしていなかったら。

そしたら今でも私は、彼の隣で大口開けて笑っていられたのかな。

最大の後悔の波に飲み込まれた私は一人暗い海底に沈んでいきました。


そして「そんな素敵な奥さんがいるのに、何で私といるの?やっぱり遊び?」

そう思うようになり、彼の何気ない一言や行動に、ますます違和感を感じるようになっていきました。