時を超えて

人生をかけて愛した人の事を綴ります

再会

翌月の私の誕生日を指折り数えて待ちました。

でも彼に最後に会った時から20年以上経ってるわけで。


変わったな.....なんて思われたらどうしよう。


再会の日が近づくにつれ、そんな不安がよぎりました。


当日の待ち合わせは、自宅近くのコンビニの駐車場。

「着いたよ」の彼からのメールに、心と息を弾ませながら待ち合わせ場所へと駆け足で向かいます。

そしてコンビニに続く坂を登りきったのと同時に、車のフロントガラス越しに手を振る彼を見つけました。


とても不思議な感覚。

彼が私の目の前にいる事がとても不思議でした。


嬉しい気持ちと恥ずかしい気持ちが入り混じって、どんな顔をしたらいいのやら。


助手席へと体を滑り込ませたと同時に、彼の顔を覗き込みました。

恥ずかしいのは彼も同じの様で、目を合わせてはくれません。


私「変わってないね」

彼「変わったよ」

私「太った?」

彼「太った」

私「私は?」

彼「変わってないよ。全然変わってない」


そして「お誕生日おめでとう」と.....

この日私は45歳になりました。


それから暫く車を走らせて、お喋りをして...

彼は仕事の事、奥さんの事や彼の3人の子供達の事を話してくれました。

彼が家族を持って、お父さんになっている事に少し違和感を感じながらも


私「〇〇〇くん、お父さんなんだね」

彼「そうだよ」


それから食事をして。


彼「2人きりになれる所に行こうか」


私「..............」


こうなる事は分かっていました。

分かってて、彼に会ったのです。


結婚して初めての浮気。

描いていた自分の人生とは、ここから大きく変わろうとしています。


でも、もう気持ちは走り出していました。


私も彼と2人きりになりたい。


部屋に入るなり、彼は「20年ぶりだね」と言って強く抱きしめてくれました。

彼の心臓の鼓動が伝わります。


「ちょっと待って」


そう言いかけた瞬間のキス。



彼の香りと唇の感覚が、あの頃の2人の記憶を呼び覚まします。


そして私達はひとつになりました。