時を超えて

人生をかけて愛した人の事を綴ります

期待はずれ

その晩は、無理に外出する予定を入れて、帰りの車の中から彼に電話をしました。


少しずつ夫への嘘が増えていく事に罪悪感を感じつつも「電話ぐらい、なんて事ない」と言い聞かせながら。


メロディーコールが流れる中、緊張とドキドキはマックス!

そして「もしもし」と懐かしい彼の声が聞こえてきました。

私が大好きだった彼の声。

全然変わってない......。


彼も「すぐにあみだってわかった。声、全然変わってないな」と。


彼の話ぶりも昔と変わらない。

私達は一瞬であの頃に戻ったようでした。



そして「明日会える?会おうよ」と。


私の「何故?」

の質問に彼は「一番最初に嫁さんにしたいと思った人だから」


こんな事もサラッと言ってのけるのが彼なのです。


でも本気で嬉しかった。


会ったところで何もないから。

会ってお茶とかするだけだから。


こんな言い訳を並べる私の理性は、完全に崩壊していました。


会いたい!


でも運命は私達の再会を許してはくれませんでした。


翌日会う約束をしたにもかかわらず、彼に急な仕事が入った事で戻らなくてはいけなくなったのです。


「散々盛り上げといてごめんね。

今度免許更新で帰るから、その時連絡するよ」


このメールを最後にそれ以降、彼からの連絡はプツリと途絶えてしまいました。


この時から2ヶ月後の彼の誕生日は見事に過ぎてるわけで、免許更新だってとっくに終わってる....。


そっか......。

そうだよね。

そんなもんだよね。

私は一体何を期待してたんだろう。

1人で盛り上がってバカみたい......。

大丈夫。

またいつもの生活に戻るだけ。


この時はまだ、彼が多忙故に時間の感覚が人より短いという事と、極端なメール不精だという事に気付くはずもなく、彼のこういう行動を理解できませんでした。


そして、もう2度と私から連絡なんてするもんか!

そう決めて、再び彼を心の奥底に沈めたのです。